失敗の科学 

近年、日本は経済が停滞したまま諸外国に遅れ劣っている状態が問題視されたいます。その大きな要因としての日本人は失敗を極度に嫌うことが挙げられています。では、どうすれば失敗を恐れずにチャレンジ精神を育むことができるのでしょうか。今回は22か国で刊行され世界的ベストセラーにもなった「失敗の科学」を要約していきたいと思います。

今回は「失敗の科学」の第8章:「一発逆転」よりも「百発逆転」をピックアップしていきます

実は無駄だった教科書配布!?

アフリカの経済援助の代表的な例として教科書配布が挙げられます。これは子供たちの教育水準をあげ国の技術力の向上や犯罪率の低下などを目的としています。一見するとこの活動は理にかなったものと思えますがこれに疑問を持った経済学者のグループがいました。彼らは教科書を配ったグループと教科書を配らなかったグループとでわけRCT(ランダム化比較試験)を行わせました。すると二者とも成績はあまり変わらなかったことがあきらかになったのです。

意外な理由は!?

実はこの結果になった理由として配布された教科書に問題があると経済学者たちは指摘しました。配布された教科書は基本的に英語で書かれていたのです。この実験となった地方の地域では英語は第3言語であり大半は理解できていなかったのです。

もっと効率的にしかも安く

経済学者たちはこれまでとは全く違った別のアプローチで教育問題に取り組みました。それはなんと駆除薬配布です。地方の子供たちは害虫に苦しめられており、それが原因で体調不良や無気力になっており学校を欠席することが増えていました。これに目をつけ早速、駆除薬配布したグループとしなかったグループとでRCTをした結果、なんと駆除薬を配布したグループのほうが25パーセントも成績が良いことが判明しました。これには経済学者たちも驚いており、教科書配布よりもずっと安くてすぐに効果もでると喜びました。

小さな日本人がアメリカの大食いコンテストで優勝!?

小林尊さんはアパートの家賃を払うため大食いコンテストに出場しては優勝し賞金を稼いでいた。そんなある日、小林さんのところに世界最大の大食いコンテストの話が飛び込む。その大会は毎年アメリカで7月4日の独立記念日に行われるもので12分間のうちに多くのホットドックを食べるというもの。世界の猛者たちが集まるその大会に早速、小林さんは参加することを決める。この大会で優勝するために小林さんは試行錯誤を重ねました。まず、ホットドックを一気に食べるのではなく半分に割ってから食べたり、ソーセージを先に口に入れその後、食べずらいパンを食べるなどビデオやタイマーを駆使しながら努力を重ねました。その結果、当時の優勝記録の25本のなんと2倍、50本を食べきることに成功し見事優勝すること遂げました。

まとめ

先ほど挙げた「教科書配布」や「大食いコンテスト」から学べることとして当たり前のこと疑う必要を私は考えました。教科書を配れば成績はあがる、体が大きければ優勝できるなど今までの常識を疑い細かなところまで実験を重ね改善した結果、誰にも予想できなかったことができる。この本ではまだまだ興味深い事例が数多くあり一気に読み進めることができます。ぜひ、書店で手に取って読んでみてください。